メディカルジャーニー学術コラム 第5回 肺がん検診の有効性

2022年8月4日

はじめに

 がんは、日本人の死亡原因の30.1%を占め1)、その中でも肺がんは、年間約7万5千人以上が死亡し、がん死亡原因の第1位となる臓器がんです2)

 年間の罹患数は、男性および女性でそれぞれ約8万2千人および約4万1千人です2)。5年相対生存率は、男性および女性でそれぞれ29.5%および46.8%であり、予後不良な疾患です2)(図1)。年次推移については、肺がんの罹患数および死亡数ともに増加傾向にあります2)。肺がんによる死亡数減少のためには、有効な治療法の開発、がんの予防そして早期発見が重要です。肺がん検診は肺がんの早期発見のための有効な方法として位置付けられていますが、検診には利益と不利益の両方があります。肺がん検診の利益を受ける人をどのように特定するのかが重要な研究課題となっています。

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